「××度の方向に××進んだ」という記録をひたすら繰り返す。
導線法と呼ばれている。
距離を測るのには縄や鎖を用いた。
「量程車」という機械は平らな道でないと使えないのであまり活躍しなかったらしい。
歩数で測ったのは第一次測量のみ。
できればもっとちゃんと測りたかったが、その時は急いでいたのだそうだ。
角度を測るのには「彎窠羅鍼」(わんからしん)というコンパス付きの杖を使った。
杖が傾いてもコンパスは水平が保たれるというスグレモノである。
さて、僕はどうするかというと、まず距離は歩数で測る。
メジャーを使うのは恥ずかしいし手間もかかるし一人じゃ無理だ。
角度は「マイ彎窠羅鍼」で測る。
よろしく、相棒。
三脚にスマートフォンホルダーを取り付けたもの。
曲がり角でこれを立てて、iPhoneのコンパスアプリで角度を見る。
ぶっちゃけ三脚は要らないというか邪魔かも知れないが、気分を出す為である。
また、忠敬は富士山などの目立つ目標物に対して、複数の地点から方位を測っていた。
交会法と呼ばれ、地図の精度を確認し、誤差を修正する為のものである。
伊能図を見ると細い赤線がたくさん引かれている。
僕もちょうどいい目標物があったら方位を測っておこうと思う。
都会のビル群の中で富士山的なものは見つかるだろうか?
坂道は「象限儀」で勾配を測って三角関数で平面距離を算出したらしい。
一瞬「マイ象限儀」も作ろうかと思ったが、一人では使えない。
コンパスアプリで勾配も測れてしまうので、今回はこれに頼ることにする。
iPhone、便利。