人の気持ちの流れについて、
他人や後世の人間は想像することしかできないが、
恐らく概ね当たっているように思う。
わかったのは、鉄幹が相当のクソやろうだということ。
手紙の内容が凄い。
「俺が何人もの女を同時に好きになるのを受け容れろ、あと金を送れ」
と、別れた妻に書き送っている。
そしてそんな話は氷山の一角に過ぎない。
渡辺淳一は『失楽園』の著者。
日経新聞の「私の履歴書」に書いたことを受けて、
常見陽平氏は彼を「おそるべき絶倫情愛老人」と評している。
鉄幹の描写が批判的でありつつもどこか同情的なのは、
鉄幹が在原業平の生まれ変わりを自称したように、
渡辺氏も鉄幹のことを自分に近い存在だと感じている為なのだろう。
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