やっと見ることができた。
急浮上した劇団の名を聞くと、
「プロモーションが強いんだろう」
と最初に思うクセがあった。
そりゃプロモーションが強くないと売れない。
が、プロモーションが強いイコール中身が弱いではないはずなのに、
嫉妬も働いたのだろう、中身を疑いがちであった。
反省。
脚本が良かった。
筋書きは斬新でこそないけれどバランスよく構成されている。
目を、もとい、耳を引いたのはやはり言葉の感覚。
レトロの中に現代的なポップがある。
絵の具はちょいグロ系の絵本に使うような古めかしいやつ(どんなだ)なのに、
筆は最新の合成繊維のもの(そんなのあるのか)を使ったような感じ。
話題のフレンドリーさについては言及し難い。
それのおかげで楽しめたわけではないからだ。
偏屈な男性お一人様な場合は、事前にアルコールを摂取しておいた方がいいと思う。
しかし、何だか、感じ入るところがあった。
作品は作品! 制作は制作! という分業が一般的な中で、
(演劇以外の世界でもそうだし、またそれ自体は「大切な当たり前」だが)
みんなが一丸となって全部を頑張っているという感じがした。
勝てそうにない勝負をかけて、実際にここまで勝っている。
コクーンに行ってほしい、と、思った。
勿論、脚本が子供だましだったら決して思わなかっただろう。
【年内舞台鑑賞最低50本まであと18本】