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2012年02月13日

少年パルタ16

「自分で処断すべきでした、せめて」
いつの間にか、全て話していた。
ウトゥクには心を開かせる力がある。

「規律を乱す者は斬れと言われていたのに、できませんでした。
ただの仕返しになってしまいそうで」
「そうか」
「ぐずぐずしているうちに、
結局彼らは死なせてしまったし、
俺たちの情報も漏れたかも知れません」
パルタは俯いて話していた。

「あの編成に意図があったことは、理解しているな?」
「はい」
「あいつらに飲まれてしまうならお前はそれまで、と思っていた。
よもやこんな結果になるとはな」
「次は斬ります」

ウトゥクが、おや、という目でパルタを見た。
「今度は、きっと斬ります。
甘さは捨てます」
こんな後悔の仕方は、もう二度としたくなかった。
posted by 森山智仁 at 08:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説『太陽の鎖』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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