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2015年02月28日

読書:サイモン・シン『フェルマーの最終定理』

うーむ、超かっこいい。

長大な歴史を一気に駆け抜けていく感じがたまんない。
あざやか。
全ページにロマンがある。

僕自身はいわゆるだらしない文系で、
二次方程式って何だっけのレベルだけど、
つくづく数学の美しさに憧れる。

僕が脚本や小説を書く上で目指すものは数学の「証明」に似ている。
これは本書を読んで思ったことではなく常々思っていることだ。
人間の、何か、揺るぎないものを描きたいのだ。
あらゆる古典がそうであるように。

本書がサイモン・シンのデビュー作だということを読んでから知った。
確かに何となく『宇宙創成』の方が洗練されていて、ドラマティックだった気がする。
そのうち『暗号解読』も読むことにしよう。

座組に23人の人間がいたら、
「同じ誕生日のペア」がいる確率は、
なんと50%を超えるんだって!
数字、不思議。
道理で今までもちょいちょいいると思ったんだ……

bk.9
posted by 森山智仁 at 02:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画:デヴィッド・バワーズ監督作品『ATOM』

テンマ博士の拒絶が唐突だし自己中過ぎるとか、
戦いたくないと言いつつ完全に破壊したりとか、
いきあたりばったりな感じはあるけれど、
つまらなくはなかった。

飛び方を覚えるところが一番よかった。

手塚アトムのファンからは不評らしい。
まぁそりゃそうだろう。
大迫力でちょっと切ないロボットバトルがやりたいだけなら、
何も日本から借りてくることもなかったはず。

mv.10
posted by 森山智仁 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月27日

演劇ラーメン

前回の公演のアンケートの集計作業をした。

平均満足度、1〜5の5段階評価で、4.52点。
アンケートなんて基本優しいものとは言え、立派な数字じゃないかと思う。





劇団を旗揚げするというのは、ラーメン屋を開くのに似ている。
しかも激戦区に。
ラーメン業界のことに詳しいわけではないが何となく。

昨今、商売というものはおおよそ、「消費者のニーズに合わせる」が主流。
昭和の「お客様は神様です」発想に始まり、今に至る。
それが「ジャパンメイド」の品質を支えていることは事実。
だが、今や(というより結構前から?)飽和状態にあって、
いかに個性を出すか、がテーマになることもある。
それでも基本はあくまで「お客様」である。

そんな中、ラーメン屋は、店主が自分で美味いと思うものを出すものだ。
お客に合わせるのではなくあくまでも自分の舌が基準。
全部が全部そうではないだろうがそうと仮定する。

エンタメ業界も「売れるものを作る」が基本とされている中で、
演劇人という人種は自分が面白いと思うものを作り続けている。
「業界」つっても、実質ほとんどアマチュアなのだが。
アマチュアだからそういうやり方ができるのだが。
そしてそんなだから、小劇場ってどこもつまらないと言われるのだが。

自分の信じる道を行くのに、何故アンケートを取るのか?
それは、知りたいからだ。
ラーメン屋はお客の表情を見ることができるし、
毎日営業しているのだから評価が客足につながりやすい。
対して演劇は上演中にお客の表情を見ることなどできないし、
公演は年に数日だから動員数=面白さというわけではない。

作りたいものを作ればいい。
けれど、それがどう捉えられたのか、
気にかけなければ、ただの自己満足になってしまう。

どう思われてもいいなんてことはない。
できれば、好かれたい。
posted by 森山智仁 at 04:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月25日

問題づくり

「女性は差別されているのか?」
「国防は如何にあるべきか?」
「出生前診断は是か非か?」

あらかじめ立てられていた問いに対して答えを考えるのが、
最近の三公演だったとしたら、
次回のお題「ロボット」にはそういうものがない。

ロボットは別に「問題」でも何でもない。
むしろ一般的に見れば「希望」である。
人間の仕事がロボットに奪われるなんて議論もあるが、
そんなことは産業革命の頃に腐るほどあった話なのだ。
ミシンの登場で何人の針子が失業したか知れない。

近世の賢者たち(しばしば作家)の予言は当たったり外れたりである。
ヴェルヌの描いたように、月には到達したが、
チャペックが描いたような、ロボットによる反乱は起きていない。
当面そんなことは起こりそうもない。
ロボット三原則云々以前に、そこまで技術が進んでいない。
「ロボット」っつったら「自我」と連想できるぐらい定番だが、
今のところ「可能性」もないし、それ以上に「必要性」がない。

ロボットが自我を持つ。
それは比喩が独り歩きした結果の、異形のファンタジーである。
心理学や哲学、あるいは玩具業界では価値あることかも知れないが、
実用性の面からしたら自我のあるロボットを作る理由がなさ過ぎる。

ロボットと聞いた時、真っ先に思い浮かべる「機械人間」は、
現実との繋がりのか細い、空想上の存在である。
そういうものをただこねくり回しても、
空想の中で終始するだけの物語に終わってしまう。

現実的でも、有益でもない。
しかし「ロボット」という(想像上の)存在は、
逆に「人間」とは何かを考える上で強力な比較対象となる。

次回作は「問いを立てる」段階からのスタートとなっている。
posted by 森山智仁 at 06:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月24日

映画:ケヴィン・リマ監督作品『魔法にかけられて』

超いい映画。
超いい。
たまんない。

何その恋。
映画かよ。
映画だよ。

虫招集するところがキツかった。
ほんとアメリカのああいうセンス怖い。

mv.9
posted by 森山智仁 at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

観劇

また、ある作品を観た。

こっちの方が良かった。

一般的な感覚とはきっとズレているだろう。
前に観たやつの方が総合的なエンタメとしては優れているのだろう。
でも僕はこっちの方がずっと好きだ。

あまりにもゲームっぽいとか、
何のメタファーにもなっていないただのファンタジーだとか、
やはり言いたいことはあるけれど、

個性があった。
ここでしか聞けない言葉があった。

冒頭、錯乱のテイを借りて一気に説明しちゃうのとかも、
好きじゃない人の方が多いと思うけど、僕はむしろ好きだ。

武器仕込むならやっぱり「左手」だよね。
コブラかなロックマンかなどっちかな。

st.4
posted by 森山智仁 at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月21日

安全保障法制について

わかりにくくはない。
「わかりにくい」という声が多いようだが、
わかりにくいということはない。

色々拡大解釈できそうだなーとは感じる。
しかし「わかりにくい」という反論の仕方はどうなのか。

「戦争をするのかしないのか」
「戦争ができる国にするのかどうなのか」
の、白黒どっちなの的な見方では、まるで話が進まない。

「とりあえず『わかりにくい』って連呼しときゃ説明不足ってことにできる」
的な、雑な戦略という印象である。

「わかりにくい」という言葉は本来、
最低限の「わかろうとする努力」をした上で使うべきものであって、
背もたれに寄りかかったまま言っていいものではない。





トニカク的に平和を愛する人にとっては、
「テロに屈しない」という言葉も、
きっと暴力的な響きをもって聞こえているのだろう。

けれど本当に大切なことは、
念仏を唱えるように平和平和言うことではなく、
どうすればテロを防げるか具体的に考えることである。





宗教的な対立も勿論ある。
が、貧困のためにスカウトに応じているという人が、
テロ組織の中には少なくないのだという。

「みんなが食えるようにすること」が、
回りまわってテロ組織の攻撃力を下げることになる。
机上の理想論だが、そういうことだと思う。
posted by 森山智仁 at 04:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月19日

観劇

ある作品を観た。

言いたいことはたくさんある。

全てが借り物。
どこかで見聞きしたことのあるキャラクター、展開、言葉。
独創的なところは一つもない。
造語ぐらいもっと何とかならなかったのだろうか。
敢えての昭和意識か。
あるいはファミリー向けを意識しているのかも知れない。

アクションがかっこよくない。
せめてシンクロぐらいガチッと揃えてほしい。

そもそもこれを演劇でやる意義が感じられない。
もしアニメを作る技術があるならアニメでやりたかっただろう。
(※だが、こんだけ説明されまくると逆に楽しくなってくる部分もある)
何しろ演技もみんなアニメっぽい。

だが。

これだけの長い尺(三時間越え)を、
演技の間とか寄り道的なエピソードを入れず、
「出来事」だけでテンポ良く繋いでいった力量は、
見事というより他ない。
退屈はしなかった。

冒頭の伏線と、
キーとなる数値の増減を具体的に述べることも効果的だった。

st.3
posted by 森山智仁 at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月16日

映画:シャンカール監督作品『ロボット』

面白い。
Huluの説明文からもっと荒唐無稽なものをイメージしていたが、
きちんと筋が通っていて、ふざけ方が丁度良く、見事な作品だった。
大人から子供まで楽しめそう。

長いけど無駄はない。
けど長い。
ダンスのところはスキップされてもしょうがないと思う。
楽しいけど。

あ、そんなわけでHulu導入しました。
映画見放題!

mv.8
posted by 森山智仁 at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

観劇:DULL-COLORED POP『夏目漱石とねこ』

NHKのBSとかで放送してる演劇みたいだった。
舞台とか照明とか。
すごくりっぱな感じ。

田舎へ旅行に行ってるみたいな感じだった。
静かなお寺のちょっと座れるところで一眠り、みたいな。
つまり、寝てしまった。
心地の良い眠りではあったけれど、それだけならお代がちょっと高いな、と。
同行者はブンガクの世界を堪能してたので僕が悪いんだと思う。
いや、悪いってこたない。

導入部があまり引き込まれなかった。
障子は役者が光源に近づくほど大きくなってしまい、効果的と思われず。
その後、猫たちが話してることもことさら斬新とは思われず。

st.2
posted by 森山智仁 at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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