タブー視されがちなテーマに踏み込んだ意欲は評価したいが、できない。
「泣ける話」の味付けに利用しているとしか思えない。
差別的なことを言う人物を敢えて出すのはいい。
しかし、完全に言いっ放しで終わっている。
(僕も『Girls, be a mother』の初版については出演者女性陣から強い反発を受けた)
「妹を妊娠させられた兄」が「暴言」を吐く。
そこまではわかる。
問題は、彼がいつの間にか「改心」して「いい話」風に終わること。
しかもその頃物語の焦点はまったく違うところへ行っている。
何より「障害」の表現が中途半端、もといただ車椅子に座っているだけ。
自慰すらままならない障害者の性と真剣に向き合っている人が観たら激怒するのではないか。
切り込むなら切れ味が必要。
浅い。
失礼でしかない。
介護職員への偏見も助長されかねない。
また、テーマは別として、日本語が上手くない。
語彙が乏しい。
女性助詞「わ」も個人的には(現代劇では特に)受け容れられない。
【年内舞台鑑賞6本目】