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2013年11月04日

直木孝次郎著『山川登美子と与謝野晶子』

多くの部分に同意できる。
歌の解釈についてこじつけっぽさを感じるところがなくはないが、
(読み手が当該の古典を「知っているはず」だからと言って意識しているとは限らない)
与謝野夫妻と山川登美子の真実は多分ここにある。

しかし、どうも反論を警戒し過ぎというか、謙虚過ぎると思う。
もっと堂々とお書きになられては……と。

【年内読書最低50冊まで残り12冊】
posted by 森山智仁 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月03日

劇団かさぶた投銭公演vol.2『オモチャ箱』@中目黒青少年プラザ

フリーカンパ制。
既に有料公演も打っている中で、そのスタイルを取ったことは評価したい。

しかし内容は肌に合わなかった。
何がしたいのかわからない。
笑い……ではなかったと思う。
せめてシュールとか皮肉の要素があるならまだ観られるのだが……。

【年内舞台鑑賞69本目】
posted by 森山智仁 at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

役者の視界

役者は、自分が出演する作品を、客観視することができない。

(「今稽古してる舞台つまんないでーす☆」などと、
不特定多数に見えるところでつぶやくのはあり得ない。
カンパニーに迷惑だし観客にも失礼。
仮に客観視できてもどういう態度を取るかは別の問題)

「出番」や「おいしさ」が気になる。
というのは悪いことではなくて当たり前だ。
平均二ヶ月弱をその作品に費やすのだから。

それはまぁ面白い方がいい。
面白いに越したことはない。
でも、「自分の役がおいしい」が強ければ、
「賛否分かれるかもだけど」は凌駕し得る。
そういう面はどうしたってある。

作・演の立場からすれば、実際、客観視できなくていい。
作家・演出家にしかどうにもできない領域で、
必要以上に思い悩むのは建設的ではない。
目の前の仕事に全力で取り組むのが一番いい。

だが役者は、駒じゃない。
表現者だ。
面白い作品に出たがる権利がある。
おいしく使ってもらえることも大事だが、
面白い作品に関わりたいという気持ちを大切にしてほしいと思う。

かつて大日本帝国は、国民に視力を失わせて、戦争に突入した。
一人一人が客観的であろうとすることは重要である。

また、「目」を養う意味で、
役者にはもっと劇場に足を運んでほしい。
お金も時間もなくて、知り合いの舞台ぐらいしか観に行けない、
というのが現実なのだが……。

以前僕は、小劇場の客席には演劇関係者がびっしり、
という状態を、不健全だと思っていた。
だが今はいっそ役者だけで満席になってもいいとすら思う。
そのぐらい多くの役者が勉強熱心にならないと、
演劇というメディアが日の目を見るのは難しい。
posted by 森山智仁 at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

劇団鋼鉄村松『ギャラクティカ・めんどくさい。』

面白かった。
発想の勝利。
良く出来た構成。
あんなに人がゴロゴロする宇宙モノ初めて観た。

後半から終盤にかけて、少しだけ長く感じた。

ボス村松さんの演技が良くて、心に染み入るものがあった。
ムラマツベスさんも『ゴメス』の時より貫録があった。
村松中華丼さんが愛せた。

終わり方はちょっとどうだったんだろう。
もうさんざん「めんどくさい」は聞いたので、満を持して感は弱い。

【年内舞台鑑賞68本目】
posted by 森山智仁 at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月02日

8割世界『そこで、ガムを噛めィ!! 〜The Baseball comedy! 2013〜』

2011年4月に拝見した時より、役者が良かったと思う。

日高ゆいさんの存在は8割世界にとって相当大きい。
こちらに元気を与えてくれる。

以前良かった「試合」の演出、
再演だからやっぱり変えてくるかな……変えたらきっとグレード下がっちゃうだろうな……
と勝手に想像していたのだが、変わっていなかった。
良い判断だと思う。

野球について僕はほぼ素人だが、あそこまでシミュレーションにこだわるってのはあり得るのだろうか?
コメディだから、では納得できないレベルの違和感。
「満塁策」とか「敬遠」なら戦術だからわかる。
シミュレーション通りにしたいから1点取らせるなんて選択肢あり得るのか?

【年内舞台鑑賞67本目】
posted by 森山智仁 at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

デヴィッド・フランケル監督作品『プラダを着た悪魔』

有間しのぶ『モンキーパトロール』という漫画の、「服」を「フク」と書く表現が好きだ。
服飾に対するナチュラルな愛が伝わってくる。
というわけで借用してみる。

フクに対して意識の高い人と低い人の対立は永遠である。

とりあえず僕は低い。
残念ながら低い方だ。
演出もやってるんだから良くないことだとは思う。

「髪すけよ。
フクはいいからとりあえず髪すけよ。
美容院行って恥ずかしい思いして来いつってんじゃないんだよ。
床屋でいいから髪だけすいてくれよ」
って言いたくなる感じのもっさもさのヲタクの人がいたとする。
彼は何故もっさもさなのか。

「自分の外見に興味がない」という説が一般的である。
それもある。
が、それ以上に、恐らくこういう意識が働いている。
「自分の外見に対して何らかの手を加える行為は、
“生まれつき見た目がそんなにひどくない人種”にのみ許された特権である」
(何を隠そう僕もちょっとそう思っているフシはある)

どんな世界でも、努力している人がしていない人を蔑む、という現象はある。
努力とはつまり時間や予算や精神力を投じる行為である。
怠る他人がいれば腹も立つ。
フクに気を遣っている人がそうでない人を軽蔑するのも無理はない。

問題は、自分の外見に無頓着な人は、
努力を「努力」と見ず、「特権の行使」(あるいは「謳歌」)と見ている、という点だ。
つまり、単純な対立ではなく、食い違っている。





さて、『プラダを着た悪魔』は、非常に面白かった。
半分だけ観るつもりのはずが(僕は集中力がないのでしばしばそうする)一気に観てしまった。

フクを疎かにする人への軽蔑は、ある。
しかし決めつけて跳ね飛ばすような軽蔑ではなく、
言葉を尽くし、文化を理解しないことは愚かだと語りかける、高度な軽蔑である。
主人公はダサいところからスタートし、その立場の声も放つというのが肝。
別に何着ててもアン・ハサウェイ超かわいいけどな……。

それにしても、だ。
ミランダの子供たちがかわいそうだ!
かわいそう過ぎる!!
仕事を捨てて家庭に入れなどと言いたいのではない。
なんでアシスタントに理科の宿題やらせてんの。
ハリーポッターとかどういうこと?
あの甘やかし方は異常。
絶対ろくな大人にならない。

仕事バリバリやってクソ厳しいというのならカッコいい。
そのカッコ良さは離婚では目減りしない。
しかし子供との向き合い方、その一点が致命的で、僕はついにミランダを尊敬できなかった。

【年内映画鑑賞最低50本まで残り6本】
posted by 森山智仁 at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

643ノゲッツー『巣窟の果て』

今までに観たゲッツーの中では一番良かったと思う。
揉め事とかボロが出るところとかが面白かった。

場転の単調さや、とってつけたようなエンディングのエピソードがやや不満。
関連して選曲もイマイチ。

説明をしない、ということに美学を持っておられるのだろう。
(一部説明的な受け答えも見受けられたが)
大体のことは何となくわかった。
拉致をした理由だけは恐らく、きちんと設定されていないものと思われる。

【年内舞台鑑賞66本目】
posted by 森山智仁 at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

メル・スミス監督作品『ビーン』

面白い!
ビーンの魅力もさることながら、演出の威力も大きい。
音楽の用法は『ジョーズ』を彷彿とさせる。

デビットがいい奴過ぎる……!
ああまで人を憎まないことができるのか……。

【年内映画鑑賞最低50本まで残り7本】
posted by 森山智仁 at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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