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2013年03月31日

意見を聞いたらサヨウナラ

「老中阿部正弘は、ペリー到着の一カ月後、ペリーが持ってきたフィルモア大統領の親書を、日本語に訳して回付した。
訳文には依頼の手紙をつけて、全大名をはじめ幕府で選んだ役人や学者たち、さらに若干の商人にまでこれを送った。
手紙の文面には、『日本は難局に当面している。この親書の意味するところを慎重に考慮のうえ、意見を自由に申し述べてもらいたい。』とあった。
これは新しい巧妙なやり方ではあったが、同時にそこには、出てきた意見には留意しなければならないという危険な意味も含まれていた」

(マリアス・ジャンセン『坂本龍馬と明治維新』時事通信社)



「聞きはしました」というアリバイ作りのような意見募集があるが、あれは本当に意味がない。
聞いたからには、何かしら反映しなければならない。

「考慮に入れた」かどうかは、本人にしかわからない。
意見することを許された者は、とどのつまり「採用」を求める。

民主的であることが常に正解とは限らない。
自分で決めたいなら、聞いてはいけない。
posted by 森山智仁 at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月30日

アクションパフォーマンスユニット「SPADE」お披露目公演@渋谷Pasera Resorts Grande

ライトがムービングしまくって、新感線かと思った。
こういうの小劇場じゃ無理だなあ。

殺陣やダンスは良かった。
体力が凄い。
映像コンテンツを挟みつつも、1時間ほぼ動きっ放し。

役者さんなのだから、芝居のパートはもっと声量を出してほしかった。

客席は全席フラットの為テレコに(左右ずらして)組まれていたが、
役者が基本的にずっとセンターにいる内容なのに、
中央以外の座席からはテレコのせいでむしろセンターが見えない。
現場に即した考え方をしていただきたい。

【年内舞台鑑賞最低50本まであと33本】
posted by 森山智仁 at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

劇団かさぶた『お父さんの背中』@劇場MOMO

面白かった。
わかりにくいことをやっているのだが、
インテリぶるでもなくオラオラでもなく、
「わかってもらえるだろうか」というような謙虚な感じが、
当パンの文章などから伝わってきた。
これからも色々と挑戦していってほしい。

言葉にセンスがある。

「引きこもりとアマテラスオオミカミ」や、
「犬の糞があったところと写真を踏みつけるところ」に至るまで、
様々なリンクが魅力。

野田秀樹に似た雰囲気。
しかしそういうことをやるには滑舌に難のある役者が多かった。

また、意図はわかるのだが、
同じセリフの繰り返しが多く、苛立ってしまった。
この点は浦沢直樹に似ている。

【年内舞台鑑賞最低50本まであと34本】
posted by 森山智仁 at 13:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月29日

次の次は「龍馬」

最近面白いことがないなあと思いながら眠ったら、
強烈な夢にドつかれるようにして目が覚めた。
こういう時、神様はいるんだなあと思う。

例に漏れず、詳細は他人にとっては退屈な話でしかないので省くが、
とにかくそれは命に関わる夢だった。

劇作をやる知人で「絶対に劇中で人を殺さない」という人がいる。
人が死ぬと人はすぐ感動してしまうからだ。
その誓いは良いことだと思うし、
意図とは別に、命の「威力」を示してもいる。

舞台で人が死んだり命を賭けたりすると、
それがどんなに陳腐でくだらない作品でも、
必ずと言っていいほど客席のどこかからすすり泣きが聞こえる。
それでいつも「おいおいマジかよ……」と、
ますますその作品から距離を取りたくなってしまうのだが、
そういう僕も流石に近親者が死にかける夢を見れば飛び起きる。

僕が書くのは歴史モノなので、自然と劇中で人が死んでしまう。
楽に感動させたいわけではない。
誰もが知ることだが、命の取り扱われ方が現代の日本とは全然違うのだ。
ナチスがユダヤ人を大量虐殺したことは非難の的になるが、
近頃すっかりイケメンになった戦国武将の皆さんも、
突撃を一回命じれば足軽が何十人も死ぬ。

とは言え上演するのは現代の日本なので、
「今とは違ったんですよー」と、
ただ陳列だけでは何の説得力もない。



龍馬は生涯殺人をしなかったそうだが、
そのせいか多くの作品で「歴史の中に迷い込んだ現代人」のような描かれ方をしている。
大人物だが「むしろ普通」で、故に共感されやすい。
「現代人としては」ごく一般的な感情をあの激動の時代に堂々と持っていられた、
というのが確かに龍馬の魅力の一つなのであろうが、

わかった。
そういうものは「既にある」ので、
僕は違うことをしよう。

次々回!
劇団バッコスの祭 第22回公演
9/26〜10/2 @萬劇場
『押忍! 龍馬』(仮題)
第25回池袋演劇祭参加作品

6月にまたオーディションやります。
posted by 森山智仁 at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月28日

ジャングルベル・シアター『天満月のネコ』@萬劇場

まったりしたネコ話かと思いきや、アメリカのマフィア映画(?)のようなストーリー。
出演者が大勢いる中、組み立ては良く出来ていたと思う。
殺陣の得物や衣装も良かった。

しかし展開はまったりしている。
全パートにお涙頂戴系のエピソードがあって、2時間は超えていないのに体感がかなり長い。
何度も時計を見てしまった。

【年内舞台鑑賞最低50本まであと35本】
posted by 森山智仁 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月27日

椎名誠著『あやしい探検隊アフリカ乱入』

ついつい椎名さんの本を読んでしまう。
いかんなあ、と思う。

毎度のことながら椎名さんと沢野画伯の信頼関係が素晴らしい。
(信頼、とはちょっと違うか?)
沢野画伯はいつでも勝手に行動しているだけなのだが、
その行動の描写からソコハカトナイ愛が滲み出ている。

キリマンジャロ登頂のあたりが感動的。
感動的なことを「感動的な風に」描くべきでない、
というのは、
感動的な場面を感動的な風に演技しちゃいけない、
というのときっと同じ。
少し冷めているぐらいが丁度いい。

【年内読書最低50冊まで残り39冊】
posted by 森山智仁 at 15:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月25日

NHK大河ドラマ『龍馬伝』(第4〜7話)

やはり、展開が遅い、と感じ始めた。
興味が持続しない。
家族で観るものとしては適正だろうか。

原作武田鉄矢・作画小山ゆうの『お〜い! 竜馬』を並行して読んでいる。
大河も『お〜い!』も原則として史実に忠実なものと思っていたが、
両者とも割と創作の部分があるのかも知れない。
「いつ・どこで・何をした」の意味では史実通りでも、
「どのように」は創作だとか(想像するしかないケースも多いが)、
「誰々と一緒に」を付け加えたりだとか、
そういうことはいくらでもあり得る。

基本を史実通りとするならそここそが腕の見せ所と言えるが、
創作のエキスの含まれていない歴史(※)を知りたいなら結局、
権威ある書籍を開くしかない。
※厳密に言えばそんなものは存在しないわけだが。

【年内映画鑑賞最低50本まで残り35本】
posted by 森山智仁 at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

加治将一著『幕末維新の暗号』

まず、面白い、のだが、
苦手なところが二つある。

一つは全体に浸透しているナルシズム。
主人公が歴史作家というのはまだいい。
ミステリ作家が主人公のミステリというのもよくある。
ただそのキャラクターが、なんか、からみづらい。
会ってすぐ馬鹿にされそう。
著者の分身ではない、としたらこのキャラにする理由がわからない。
無気力・受け身・特技なしの主人公ではありきたりだが、
こういう主張の強過ぎるのも読者を選んでしまうと思う。

もう一つは何度か登場する食事の場面。
どうやら僕は「中途半端に」生活感のある食の描写が苦手らしい。
池波正太郎のように本当に美味そうに書き込むか、
さもなくば北方謙三のように炙った兎と魚肉の饅頭ばかり喰らうのがいい。

歴史解釈の面は実に面白い。
はじめ眉唾だろうとタカをくくっていたが、
読んでいるうちに結構そのセンもありそうだという気にさせられた。

主人公自身の身に危険が迫るのを期待していたのに、
そこには至らずに終わってしまった。
どうも尻切れトンボな感じだが、
ノンフィクションがこの本の主軸ということだろう。

ところでしかし、素人目に、どうしても拭い切れなかったのが、
「この写真は合成じゃないのか?」
という疑問である。
プロの目で見て本物、という一言で片付けられていたが、
(調べれば詳細な説明は得られるのだろうけれども)
パッと見て、何となく合成っぽい。
陰影の入り方が不自然な気がする。
同列にいる人物同士の顔の明るさの差が大きい。
西郷隆盛や大室寅之祐はジグロらしいがそれにしても奇異に感じる。
一番「ん?」と思うのは香月経五郎の右頬。

【年内読書最低50冊まで残り40冊】
posted by 森山智仁 at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

net×tet『三人芝居』@駒込ラ・グロット

どこにも書かれてないようだけど、
これ鴻上尚史の『トランス』だよね?
読んだのは高校時代なのでうろ覚えだけど。

独特の空間を上手く使っていたし、
終わり方も良かったと思うが、
原作の人の名前はちゃんとアナウンスしないとまずいんじゃないだろうか……?

【年内舞台鑑賞最低50本まであと36本】
posted by 森山智仁 at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

タンバリンプロデューサーズ『TOKUGAWA15』@ザ・ポケット

脚本・演出がTheatre劇団子の石山英憲さんということで、
大いに期待して行ったのだが、
率直に言ってあまり良くなかった。
「無関係な人間がいっぱい集まる系」の、
言い争いと賑わいとそれぞれのエピソードという、
定型のパターンを何ら逸脱していない。
徳川幕府関連の要素も無理やり入れさせられたように思える。

劇団6番シードの椎名亜音さんがズバ抜けて良かった。
品があってツッコミもできる。

弾丸MAMAERの川崎清美さんも良かった。
バナナ中の演技が超面白い。

客席で大騒ぎしていたのはアイドルのファンの皆さんだろうか。
その日、ザ・ポケットは独特の熱気に包まれていた。

【年内舞台鑑賞最低50本まであと37本】
posted by 森山智仁 at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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