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2012年07月21日

劇団スクランブル『Shambles』

お嬢様が金を必要とする理由だけは首を傾げるところだが、
それ以外の筋書きは悪くなかった。

だが、筋書きだけではあの料金は取れない。
演劇で、一幕なのだから、もっと見せるべきものがある。
日本語の妙や、人間の心理、舞台特有の笑い。
特に笑いが弱いと感じた。
一人のワンパターンな怪演に頼るのは無理がある。

……コメディでは、あったんだよね?

【年内舞台鑑賞100本まであと21本】
posted by 森山智仁 at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月19日

なぜ人をいじめてはいけないのですか

「ならぬことはならぬものです」
会津藩校日新館伝統の“什の掟”はこう結ばれている。

正論である。
いや論とかじゃない。
1+1が何故2なのか、その議論を飛ばさなければ数学は始まらない。

発明王エジソンの母は、息子の「なぜ?」に対して、
決して怒らず、本人が納得するまで付き合ってやったというが、
「なぜ人をいじめてはいけないか?」
その問いに答えてやったらお前は何王になるんだ?



「ならぬことはならぬ」
この言葉は、生きている。
屁理屈を蹴り飛ばすような気迫に満ちている。

が、この“言葉そのもの”は、決して切り札にはなり得ない。

いじめ問題の注目度が急上昇している今、
例えばどこかの教室で、
ある教師が、
会津の歴史を紐解きつつ、
「ならぬことはならぬものです」
と語りかけたとしよう。

テレビ的にはキレイにまとまっている。
しかし実際は何の意味もない。

その教室に、
まさに今いじめを行っている生徒がいたとして、
そいつは頭の中でこう思うだろう。
「は?
なにいきなりwwwww
こわいんですけどwwwww」



幼年期、毎日、子供同士で暗唱したからこそ、
什の掟は有効だったのである。
10歳が8歳に言い聞かせたからこそ意味がある。

信用もしていない教師にある日いきなり言われてもまず心には響かない。
「ならぬものはならぬ」
一見、力強い。
だからこそ無様に虚空を斬る羽目になる。



故に、僕は思う。
不用意に引用などしないでいただきたい。

使うならせめて、
「昔、会津の人はこう言いました」
というような前置きを完全に無しにしていただきたい。

自力で、腹の奥底から吐き出して、初めて相手に届き得る言葉である。
posted by 森山智仁 at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月18日

中村彰彦『白虎隊』

白虎隊や隊士の動向を詳しく追う一冊。
歴史を歪めて伝える文章に真っ向から立ち向かっている。

白虎隊を一から学ぼうという人は、
戊辰戦争全体の流れは他書で掴んでから、
この本に入った方がいいかも知れない。

【年内読書100冊まであと92冊】
posted by 森山智仁 at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カプセル兵団『ゾンビ×幽霊×宇宙人「オール恐怖大行進!!」』

@ワーサルシアター

ノーマルバージョンとバカバージョンの2種があるという趣向。
バカバージョンを鑑賞。

筋書きやメッセージに取り立てて斬新なところはないし、
パロディのネタも半分ぐらいわからなかった。
しかし僕はやはりカプセル兵団が好きだ!
くだらないことを一生懸命やっている、
というだけなら他にもたくさんそういう団体はあるわけだが、
中でもカプセル兵団のセンスが好きなのだ。
特に「進めてくれよ」の一言は今年約80本観てきた中でも五指に入る。

しかしこれ、ノーマルバージョンはどうだったんだろう?
バカでこそ活きそうなストーリーだったが……。

【年内舞台鑑賞100本まであと22本】
posted by 森山智仁 at 02:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月17日

憑神

筋書きは面白い。
導入から入り込みやすく、先が気になる。
キャスティングも魅力的。

だが何だろう、演出が弱い、のか?
コメディ・シリアス両方ある作品だが、特にコメディ部分が物足りない。
笑わせ方が強引。

【年内映画鑑賞100本まであと82本】
posted by 森山智仁 at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高山宗東『いま、「東北」の歴史を考える』

古代から近代まで、様々な視点から東北の歴史を描く。
著者のイメージする「東北像」が明瞭でわかりやすい。
東北を軸に、日本史の全体を振り返ることにもなる。

【年内読書100冊まであと93冊】
posted by 森山智仁 at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月13日

テレビドラマ『白虎隊』(2007年)

テレビ朝日の新春ドラマスペシャルとして放映。
山下智久が主演。
イケメン。

「母と息子」の関係性が主軸となっている。

現代のシーンから始まったことには驚いた。

1986年の『白虎隊』と比べると、正直、安っぽいと感じた。
確かに映像の技術は今の方が進歩している。
しかし脚本は、昔の方が格調高い。

テンポはそう変わらない。
演劇に比べれば遅い、それはさして問題ではない。

同じ表現、あるいは同じ主旨の台詞の反復。
説明的な台詞。
説明的である以上に、無粋な台詞。
何を見てどう感じたかなんて、わざわざ言われないでもわかる。
それともお茶の間はわからないのか?

このぐらいの「わかりやすさ」が今のスタンダードだとするなら、
日本のお茶の間のレベルはどんどん下がっているのではないだろうか……。

僕は老人のようなことを言っているだろうか。
しかし「ならぬものはならぬ」が会津の精神であるように、
良くないものは良くないと僕は言いたい。

【年内映画鑑賞100本まであと83本】
posted by 森山智仁 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

風よ吹け!

写真.JPG
風通しの悪さには定評のある我が家。
やっと扇風機を買いました。

※ペンギンは別売りです。
posted by 森山智仁 at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月12日

流山児★事務所『イロシマ』

@Space早稲田

チラシを見てかなりシリアスなものをイメージしていたが、
意外と親しみやすい雰囲気。
セリフがわかりやすいし、
空腹や殺し合いの表現もエグ過ぎないので、
年配の方でも楽しめると思う。
かと言って僕が退屈だったわけでも決してない。

吉田さんに激しく感情移入。
と思ったら平山さんも良かった。
どちらか選べと言われたら、選べない!

ビラの読み方を変えていく流れ、最初は面白かったが、後半苦しかった。

舞台美術がショッキング。
しかしこの作品、3.11とは関係ある……か?
3.11以降だからこその何かではなく、もっと普遍的なものを描いているような。

【年内舞台鑑賞100本まであと23本】
posted by 森山智仁 at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

辻原登『犬かけて』

『村の名前』が幻想との「交錯」だとするなら、
これは幻想への「埋没」。
悪夢を見ているような気分。
今読んでいる部分は現実なのか、段々疑わしくなっていく。

「直線」を辿って産婦人科のカードを見つけるところが素晴らしい。

【年内読書100冊まであと94冊】
posted by 森山智仁 at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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